入学は大きな一歩です。子どもにとってだけでなく、親にとっても同じです。入学の数か月前から、多くの方がこう考えます。うちの子はもう学校に行く準備ができている?長く集中できる?新しいクラスでうまくやっていける?だんだん自分でできるようになる?
最初にいちばん大事なことをお伝えします。**入学前に、読む・書く・計算ができる必要はありません。**それより大切なのは、学校生活のいろいろな場面に対応できるように、基本的な「ことば」「社会性」「気持ちの面」「日常生活の力」が育っているかどうかです。
今の「就学の準備ができている」とは?
以前よく使われた「就学成熟(Schulreife)」より、今は 就学に必要な力(Schulfähigkeit) という言い方がよく使われます。そこには、発達は決まった形で進むものではない、という考えがあります。子どもはそれぞれ違うペースで成長し、入学の時点で持っている得意なことや経験もさまざまです。
学校は「完璧な子」を求めているわけではありません。多くの力は、小学校(Grundschule)の間にも育っていきます。大切なのは、これから学んでいくための土台がすでにあるかどうかです。
入学をスムーズにする力は?
入学の時点で、多くの子どもは新しい生活を楽にするための力をすでにたくさん身につけています。
日常生活での自立
次のことができると助けになります:
- だいたい自分で着替えができる
- 自分でトイレが使える
- カトラリー(フォークやスプーンなど)で食べられる
- 小さな用事を自分から引き受けられる
- 上着やランドセルなど、簡単な自分の持ち物に気をつけられる
ここで大事なのは「完璧さ」ではありません。大切なのは、子どもが少しずつ 「自分でできた」 という体験を重ねることです。この体験は、自立心と自信につながります。
ことばとコミュニケーション
入学時に次のようなことができると助けになります:
- わかりやすく話せる
- 簡単な出来事やつながりを話せる
- 質問をしたり、答えたりできる
- 複数の内容がある指示を理解できる
- 困ったときにことばで伝えられる
語彙がとても多い必要も、文法が完璧である必要もありません。大切なのは、ことばを使って自分のことを伝えたり、相手の話を理解したりできるようになってきていることです。
集中力と粘り強さ
多くの就学前の子どもは、すでに次のようなことができます:
- しばらくの間、ひとつのことに取り組める
- 簡単な遊びを最後までできる
- 短い待ち時間に耐えられる
- 途中で中断しても、また課題に戻れる
こうして、注意力、衝動を抑える力、行動の計画といった大切な力が育ちます。どれくらいうまくできるかは日によって変わることもあります。たとえば睡眠、ストレス、そのときの状況によって違いが出ます。
社会性の力
学校生活では、社会性の力がとても大切です。次のようなことができると助けになります。
- ほかの子どもと一緒に遊べる
- ルールを基本的に受け入れられる
- けんかのとき、だんだん手が出るのではなく言葉で解決できる
- 順番を守ったり、少しずつ分け合ったりできる
- 助けを受けたり、助けを申し出たりできる
これらの力も、入学の時点で完璧にできている必要はありません。学校生活の中で、さらに育っていきます。
感情の発達
入学は、強い気持ちへの向き合い方を少し身につけていると、楽に感じやすいです。たとえば、次のようなことです。
- 小さな「がっかり」をだんだん我慢できる
- 興奮したあとに落ち着ける
- 数時間なら、身近な大人(保護者など)から離れて過ごせる
- 新しい状況にも、基本的には入っていける
入学前に緊張したり不安になったりするのは自然なことです。こうした気持ちは、無理に打ち消す必要はありません。お子さんが話せるように、安心して話せる時間と場をつくってあげましょう。 入学に関する絵本を読んだり、ランドセルや学用品を一緒に準備したりすると、新しい状況が少し身近に感じられることがあります。
入学前に、もう読み書きや計算ができないといけませんか?
いいえ。文字や計算を集中的に練習することは、うまく学校生活をスタートするために必須ではありません。
それよりも大切なのは、あとから学校での学びの土台になる基本的な力です。たとえば、次のようなことができると役に立ちます。
- 本やお話が好き
- 集中して話を聞ける
- 質問できる
- 日常の中で量・形・違いに気づける
- 絵を描いたり、作ったり、試したりするのが好き
「知りたい」「見つけたい」という気持ちや、発見する楽しさは、これからの学びの大事な土台になります。
おうちでできるサポートは?
子どもは、日々の生活の中で大事な力を自然に身につけていきます。家で特別な就学前プログラムをする必要はありません。
おすすめは次のようなことです。
- 一緒に読み聞かせをする
- ボードゲームやカードゲームで遊ぶ
- 絵を描く、工作をする、はさみで切る
- 生活の中で数える、分ける、比べる
- 家の中の小さなお手伝いをする
- 自由に遊ぶ時間を十分にとる
ここで大切なのは「できる・できない」の成績ではありません。お子さんが「自分でできた」「むずかしいことも乗り越えられた」と感じられる経験は、自己効力感(自分にはできるという感覚)と自信につながります。
どんなときに、もう少し注意して見たほうがいいですか?
子どもの発達はそれぞれです。入学前に、追加の評価(相談)を受けたほうがよい場合もあります。
次のような様子があるときは、小児科のかかりつけ医に相談してください。
話し方が分かりにくく、理解されにくいことが多い
簡単な指示もほとんど理解できない
身近な大人(保護者など)から離れるのがほとんどできない
日常で、注意力や衝動のコントロールに大きな困りごとがある
運動(体の動き)に明らかな難しさがある
日常のいろいろな場面でひどく手に負えない様子があったり、発達について心配がある場合
また、保育園(Kita)の保育・教育の専門スタッフも、お子さんを日常や集団の中で見ているため、大切な観察を伝えてくれることがあります。
子どもにはそれぞれ違う強みがあります
就学の少し前になると、多くの家庭が互いに比べてしまいます。そうすると、すぐに不安になることがあります。言葉が特に早い子もいれば、運動面、社会性、自分で行動する力が伸びている子もいます。
うまく学校生活をスタートするために、お子さんがすべての分野で同じように進んでいる必要はありません。 早くから読み書きや計算ができることよりも、基本的な自立、コミュニケーション、社会性と感情面の力、そして新しいことを見つけて学ぼうとする意欲のほうが大切です。
お子さんの発達を見守りましょう
tio App では、就学前の年齢に合った発達情報を受け取れ、重要な発達の節目やできること、気づいたことを簡単に記録できます。そうすることで、お子さんの発達の様子を把握でき、U9 や小児科(Kinderarztpraxis)、幼稚園(Kindergarten)との面談のときにも、必要な情報をすぐに確認できます。




